パソコンは使いこなすことができれば、タブレットやスマートフォンとは比べられないほど多機能で最高に作業効率のよいツールです。筆者も20年ほど前から使い始め、今では仕事でもプライベートでも手放せないツールとなっています。
しかし、一方でスマートフォンやタブレットがリリース当初にくらべて飛躍的に機能・処理速度を上げてきていることも確かです。では、形状が一番パソコンに近いタブレットの代表とも言えるiPadは、パソコンの代わりとして使えるレベルまで来ているのでしょうか。
答えは「Yes」です。
機能面ではまだパソコンに軍配があがるところもありますが、大半のユーザにとっては、その点を考慮しても絶対にiPadがおすすめ。
筆者がそのように強く感じているわけを、6つの理由をあげて詳しく解説していきます。
1.学習コスト
パソコンの機能を便利に使いこなし、効率的に作業するには、時間をかけて学ぶ必要があります。このある程度使えるようになるまでに、費やさなければならない時間のことを学習コスト(ラーニングコスト)と呼びます。パソコンは多機能であるがゆえに、直感的に使うことができない非常に学習コストが高いツールです。
パソコンとは逆にタブレットは、とってもシンプルです。なんと言っても画面をタッチするだけですから。言い換えれば、学習コストがゼロのツールといえるのではないでしょうか。
実際に小学生未満の子供でも、iPadならYouTubeのアプリから簡単に動画を見れてしまうぐらいです。パソコンをさわったことのないお年寄りもすぐ使えます。
2.生体認証(Face ID & Touch ID)が使える
iPhoneユーザにはピンと来ない人も多いかもしれませんが、生体認証技術はこの20年間の間で一番素晴らしいテクノロジーの1つです。
何が素晴らしいかというと、「パスワード忘れ・パスワード入力ミス」という、誰もが1度は経験するパスワードの問題をいっぺんに解決できるからです。
入力しやすさ、覚えやすさを優先して簡単に破られてしまうパスワードを使う必要も無いですし、アルファベットの「O(オー)」と数字の「0(ゼロ)」の入力間違えもなくなりました。
指紋認証機能がついているパソコンもありますが、あくまでも高価格帯のビジネスモデルのものばかりです。iPadならば、安いモデルでも指紋認証、高価なプロモデル(iPad Pro)であれば顔認証が使えるので、利便性・セキュリティの面で圧倒的に優れています。
3.やりたいコト別のアプリがある
以前AppleのCMで「There’s an app for that」というセリフが使われていました。日本語ではなんと訳されていたかは不明ですが、「あなたが今やりたいと思っているコトや作業にちょうど適したアプリがありますよ」というようなメッセージのCMです。
このCMをぼーっと見ているとApp Storeのアプリの数に注目してしまいそうになりますが、重要なのは「ある特定の問題を解決する機能を持ったアプリがある」ということです。
アプリとやりたいコトがほぼ1:1で対応していると言い換えてもいいかもしれません。
これは使いやすさという点で、素晴らしいコンセプトだと言えます。使い方は、やりたいことに適したアプリを開くだけでよいからです。パソコンでブラウザにURLを入力したり、ブックマークから選択するよりも、iPadでアイコンをタップするほうが圧倒的に覚えやすくシンプルですよね。
パソコンのもつ心理的なバリアともいえる複雑さを感じさせないところが、iPadのすごいところです。
4.らくらくバックアップ
パソコンで一番やっかいなのがバックアップではないでしょうか。MacにはTime Machine、Windowsにはファイル履歴などが用意されていますが、iPadのiCloudバックアップのシンプルさには勝てないでしょう。
「iCloudバックアップ」のトグルスイッチだけで、インストールしたアプリそのものだけでなく、そのデータも合わせてバックアップができます。それとは対象的にパソコンはデータのバックアップの設定が面倒なだけでなく、新しくパソコンを買い換えるとソフトウェアの再インストールが必要です。
パソコンが壊れてデータを失ったり買い替えで苦労したことがあれば、iPadがバックアップ地獄から救ってくれるだけでも選択する価値があると思います。
5.起動を待つ必要がない
パソコンはなんと言っても立ち上がりが遅いですよね。CPUにそれなりにお金をかけている筆者のパソコンでも15秒~ぐらい起動にかかりますから。30秒でも早いほうで、1分以上かかるというのも珍しくないと思います。
iPadは起動に1秒もかかりません。というよりも基本的にシャットダウン・再起動が必要ないので、iOSのアップデート以外の時は常にスタンドバイモードなのです。つまり、パソコンでは必要なソフトウェアのインストール後の再起動が必要ないということです。
数字の上では1秒と30秒は大した差ではないようにみえるかもしれませんが、現実の使用感はおどろくほど大きいものです。パソコンとタブレットの2つを持っていれば、間違いなくパソコンのほうがホコリを集め始めるでしょう。
6.使う場所を選ばない
タブレットは軽い・薄い・熱くないの3拍子そろっているので、家でも電車でもカフェでもどこでも使えます。机にのせたり、ひざにのせたり、片手に持ったりとiPadは、場所に合わせて持ち方を変えられるすぐれものです。
パソコンは、ノートパソコンであってもサイズ的にある程度安定した場所に置かないと使いづらいと思います。また、片手での操作が難しいので、電車の中だと隣の乗客に肘があたってしまうので使えません。
でも機能は大丈夫?…
「iPadがすぐれているのはわかったけど、機能面は本当に大丈夫?」という方もいるでしょう。
では、一般のユーザはパソコンならではの機能があったとして、本当に使うのでしょうか?
それを知るためには、日本で一番よく見られているウェブサイトのトップ50を解析するのが一番です。日本人のやりたいこと・知りたいことの情報が詰まっているからです。
詳細は、「世界のアクセスランキング2019-日本編」で解説していますが、日本人のオンライン行動は次の8に大別できます。
- 検索
- 動画視聴
- ニュース閲覧
- オンラインショッピング
- SNS
- メール・メッセージ
- ブログ
- ドキュメント作成・保存
リストを見ると、最後の8番を除きほとんどがタブレットはもちろんのこと、スマートフォンでさえも簡単にできる機能だと言うことがわかっていただけると思います。
最後の8番のドキュメント作成・保存のカテゴリにランクインしたサイトは、Office、 Adobe、Dropboxの3つです。これらのサイトが提供するサービスは、App StoreでiPad用の公式のアプリが用意されているので問題ありません。
もちろんインターネットに接続しないでパソコンを使うこともあると思いますが、上記の8つ行動は、パソコンの私的用途の90%以上はカバーできているのではないでしょうか。
まとめ
最初にiPadがリリースされた時は、デカイiPhoneと思われていました。しかし、AppleがiPad専用のアプリの充実をはかったおかげで、タブレットというよりもiPadというカテゴリを専有するまでに成長しました。
2019年でiOSから卒業し、iPadOSが搭載されるようになった今、iPadは本当にパソコンの代わりとして使える機器の第一候補になったと言えます。
iPadOSの機能について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参照ください。
筆者が考えるiPadがパソコンよりも優れている点は6つでした。
- 誰でも説明なしにすぐ使える
- 生体認証
- アプリの使いやすさ
- バックアップ
- 起動の速さによる手軽さ
- 場所を選ばないハードウェアの形
ハードウェアの点以外は、パソコンで解決できない問題ではないと思うかもしれません。ただ、多くのユーザにとってはコストや技術的な理由から、現実的にはちょっと面倒だなと感じる問題ではないでしょうか。
iPadは、その点をAppleらしいシンプルで受け入れやすいやり方でクリアしているのが、本当にすすめたい理由です。機能的にも、大半のインターネットユーザが使いたいと思う機能を厳選して搭載しているので、パソコンと比べて特に見劣りすることもありません。
もし、パソコンとタブレットの2つで悩むことがあれば、ぜひこの記事を参考にしてください。
どのモデルのiPadを購入するかで迷っている方は、こちらの記事をどうぞ。