「なんでMac OS Xのエックスはテンと読むの?」そんな質問を今どきのハイテク小学生からいただきました。
大人でもオーエス・エックスと読んでいる人もいるのでとても良い質問ですね。Mac OS Xはアメリカのアップル社が作っているコンピュータのオペレーティングシステム(OS)、つまりパソコンの脳みそに当たる部分の名前です。
「X」がなぜテンなのかを単純に答えるだけでなくだけでなく、Macの名前の由来や関連する雑学も合わせて見ていこうと思います。
※Mac OS Xは、2016年にiOSとWatchOSに形を合わせるためMacOSに名称変更された。
Macの名前の由来
Mac(マクドナルドと同じマックと読む)はMacintosh(マッキントッシュ)と呼ばれる北米で人気のりんごの名前を短くしたものです。
会社の名前がアップルなのでOSの名前がりんごの種類でも不思議はないように思えますが、そもそも会社の名前がアップルなのは当時のパソコンの複雑で近寄りがたいイメージを消す親しみやすい名前にしたかったからだそうです。
今でこそスマートフォンやタブレットが普及して誰でもパソコンを使うようになりましたが、30年以上前は一部のオタクしか使えない白黒の文字だけのものでした。
Apple社の共同創立者のスティーブ・ジョブズは若いころに、りんご農園に住んでいたので、親しみやすい名前としてりんごを選んだのは納得ですよね。ちなみに、現在のApple Inc.は2007年のiPhoneの発表の時までは、Apple Computer Inc.でした。
エックスをテンと読む理由と由来
いよいよ「X」をテンと読む理由ですが、テンは英語で10の意味で単純に以前開発されていたMac OS 8やOS 9の続き番号なんです。
1984年にMac OSの初期バージョンの1.0が開発されてから少しづつ番号が増えて、2001年の時点でOS Xになりました。
普通であれば「Mac OS 10」となるところですが、なぜローマ数字の10である「X」を使っているんでしょうか?
実はMacのOSは「Unix(ユニックス)」と呼ばれるシステムを元に作られているため、Unixの最後の「X」を取ってMac OS Xとしているんですね。ちなみに、2017年にリリースされたiPhone X(アイフォン・テン)の場合は、Unixとは無関係で単純にiPhoneの発売10年目を表しています。
アップル社が和を重んじる日本の会社であればおそらく、Mac OS Xは「Fuji OS 十」になってたかもしれませんね。
良い子の皆さんはこれぐらいのことであればGoogleですぐ調べてわかってしまうでしょうから、少し話は脱線しますがローマ数字についても少し学んでみましょう。
ローマ数字の書き方
日本ではローマ数字は算数で普通に使うアラビア数字の1,2,3や漢字の一、二、三と違い馴染みのない数字かもしれませんが、時計の数字などで使われることがあります。
ローマ字のアルファベットを使った数字の表記が特徴で、1~10は下のようになります。
I、II、III、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X
難しそうにみえるかもしれませんが、実は表記のルールは単純な足し算と引き算です。
大きい数字の右隣に小さい数字が並んでいるときは足し算、その逆は引き算というルールを基本にして次のように表記します。
- 1~3は、ローマ字の「I (アイの大文字)」の数で表現
- 5は、ローマ字の「V」
- 10は、ローマ字の「X」
分かりづらいので具体的な数字を見てみましょう。
例えば、8は「5+3」と考えられるので「V」の右隣に「III」を足してVIII。
9は「10-1」なのでXの左隣りに「I」がきて、IX。
3までは同じ数字の足し算と考えて、3は1+1+1でIIIになります。
では「XI」は何でしょう?
10+1なので11ですね。
XXIXは10+10+(10-1)で29。
後は50はL、100はC、500はD、1000はMで表記するのを覚えれば大抵の数字は表記できます。
例えば、明治維新の1868年は「MDCCCLXVIII」となり、平成元年の1989年は「MCMLXXXIX」、令和元年の2020年は「MMXX」です。
日本では使う機会はもちろん、見かけることも少ないので、すぐに忘れてしまいそうですが、ヨーロッパやアメリカに旅行すると有名な古い建物でよく見かけます。
イタリアの有名なトレビの泉にも「ANNO DOMINI MDCCXXXV」つまり、A.D.1735と書かれています。
ちなみにA.D.は日本語で西暦と訳されるラテン語で、読み方は「エーディー」または「アンノドミニ(日本語読み)」です。
Mac OS Xの読み方のまとめ
Mac OS Xの読み方や名前の由来に関するちょっとした雑学を紹介しました。
現在のMacOSの元となっているMac OS Xのオペレーティングシステムは、10回目のリリースのときに開発の基本となったUnixのXをとり、ローマ数字で英語の「テン」と読ませています。
また、Xに関連してローマ数字の書き方も紹介しました。日本ではあまり使う機会はありませんが、ヨーロッパでは今でも使っているところもあるようです。
単純な足し算と引き算なので、一度覚えておいても損はないでしょう。
もし、周りの大人がOS Xをエックスと読んでいたら、ローマ数字だからXは「テン」と読むんだよと教えてあげてください。