インスタントラーメンを待っている間に読み終わる、重要なテック・トレンド。見逃してしまったあなたにお届けします。
今週のピックアップ
日本の【ながら運転】罰則強化のはるか先を行く国
2019年12月の1日に携帯電話等を車の運転中に操作・注視する行為、【ながら運転】に対する罰則が強化されました。
携帯電話等の保持は違反点数3点、携帯電話使用等により交通事故を起こした場合6点で少なくとも30日間の免停になります。違反に対する罰則が強化されて事故が減るのはよいことですが、この罰則は警官による現行犯に対してです。
この点について日本よりもずっと先に進んでいるのが、オーストラリアのニューサウスウェールズ州。
なんと日本でスピード違反に使われているオービスのようなカメラに画像解析の人工知能が搭載されていて、すでに運用が始まっています。人工知能が自動解析し、違反が見つかった画像を人間が最終確認する方式だそうです。
プライバシーの問題はありますが、警官だけに頼るよりもずっと効率的。日本でも同じようなシステムが採用される日も近いかもしれませんね。
Linux版のOfficeアプリ登場
アメリカ時間の12月10日、シアトルに拠点を置くマイクロソフトがオープンソースのオペレーティングシステム(OS)であるLinuxで使えるMicrosoft Teamsを発表しました。
LinuxもMicrosoft Teamsも聞いたことがない方にとっては、???ですよね。
まずMicrosoft Teamsはオフィス系のWord、Excel、Outlookなどマイクロソフトのソフトウェアを使うビジネスユーザが社内コミュニケーションに使うためのツールです。同じようなツールとしては、「Slack」のほうがよく知られています。
次にLinuxについてですが、Googleが開発しているAndroidの基本となったOSです。
マイクロソフトの戦略の転換
無料で使えるOSということもあり1990年代以降マイクロソフトはずっと敵視し、一度もLinuxで使えるアプリケーションを開発してこなかったという経緯があります。
そういった歴史を踏まえると、今回のLinux版のMicrosoft Teamsのリリースはマイクロソフトの会社としての新しい姿勢を示す重大なニュースです。
2000年代のインターネットエクスプローラー(IE)に見るような、業界の標準を完全に無視して自社製のテクノロジーをゴリ押しするマイクロソフトの姿勢はもう見えません。
ブラウザのベースにGoogleの開発したChromiumを採用したり、WordやExcelなどのOfficeアプリをプログレッシブ・ウェブ・アップ(PWA)としてリリースしたりと今までではあり得なかった方針が取られています。
今後、その他のオフィス系アプリもLinux版が開発されることに期待したいですね。
Uberの共同創始者の退任
アメリカ時間のクリスマスイブに、タクシー配車サービスのUber Technologies の共同創始者、Travis Kalanickの取締役退任が発表されました。
2017年にセクハラなどのスキャンダルで代表取締役を退任していたKalanick氏は、大株主として取締役会の一員として残っていました。取締役会に残っていた理由の1つは、新規株式公開(IPO)をやり遂げる必要があったからです。
新規株式公開をした会社の株式には通常、株式公開前からの株主による転売制限期間があり、2019年5月に株式公開した Uber の場合は今年の11月でした。
Kalanick氏は、11月以降株式を売り始め、12月末までに保有株の大半を売り取締役会の退任を決めたようです。
売られた株の価値は、なんと25億ドル(約2700億円)以上。
どれくらい税金がかかるのかは不明ですが、とんでもない額ですね。
ちなみに、アメリカのForbesによるとKalanick氏の資産価値は2019年で世界の298番目だそうです。
以上今週のテックニュースでした。
それではまた来週お楽しみに