インスタントラーメンを待っている間に読み終わる、重要なテック・トレンド。見逃してしまったあなたにお届けします。
今週のピックアップ
1.Amazon、物流業界への本格的進出
アメリカの証券会社のMorgan Stanleyによると、Amazonはアメリカ国内の自社で取り扱う製品の配達のなんと50%を自前で行っているそうです。
そして50%というのは、年間の取り扱い数で25億個!
ちなみに、日本最大の物流会社であるヤマト運輸の取扱数は※18.4億個、国全体で42億個です。
つまりAmazonは物流ビジネスだけでも超巨大な企業なのです。
もちろん規模だけでなく成長率も桁違い。Amazonの自前配達率は2018年度の約20%と比較すると、単純計算で250%です。
ここまで恐ろしいほどのスピードで取扱数が2019年に増えた理由は、アメリカでプライムの配達日が2日から1日変わったから。国土が日本の26倍もあるアメリカで1日で配達というのは普通では考えられないスピードですね。
日本でも最近Amazonによる配達が始まっているので、日本の物流業界に嵐が吹き荒れること間違いないです。
※国土交通省の2017年のデータより。
https://www.mlit.go.jp/common/001252227.pdf
2.iPhone、関税による値上げを回避
アメリカ時間の12月13日に2018年から続く世界の2大経済のアメリカと中国の貿易摩擦に関して第1段階の合意に達したという会見が行われました。
12月15日に日本でも大人気のiPhoneに15%の関税がかけられる予定だったので、ひと安心。
「アメリカの関税は日本には関係ない」と思うかもしれませんが、Appleはアメリカの会社です。
Appleの売り上げの50%以上を占めるiPhoneが最大の市場であるアメリカで値上げされれば、日本を含む他のエリアもとうぜん影響を受けるでしょう。
15%の関税がかかれば、日本円で約11,000から16,000円の値上げ、またはAppleの利益率がその分だけ下がっていたことになります。
2020年は5Gに対応したiPhoneが発売予定です。このまま貿易摩擦が収束し、値上げなしの販売となることに期待したいですね。
3.Amazon, Apple, Googleスマートホーム標準規格の統一へ
みなさんは、AlexaやGoogle Homeなどのスマートスピーカーを使っていますか?
アメリカのニュースメディアのNPRの2019年のレポートによると、アメリカの大人(18歳以上)の20%以上がスマートスピーカーを所有しているそうです。
そんな大人気のスマートスピーカーですが、「スマート」とされる部分は電球や扉のロックなどのスマートホーム機器との連携です。
現在は、Alexaの通信方法、Google Homeの通信方法など少しづつ採用されている技術が異なるため、スマートホーム機器の購入のとき対応する規格の確認が必要になります。
実際、筆者は以前 Ikeaのスマートホーム機器の購入を検討していましたが、AlexaにもGoogle Homeにも未対応だったため購入を見送ったことがありました。
今回このような問題に対応するために、Amazon, Apple, Googleの3社が他の業界団体や企業と立ち上げたのが、「Project Connected Home IP」という団体です。
Googleによると、もっとも普及しているIP(インターネット・プロトコル)をベースにWi-Fi、Bluetooth Low Energy、Weave、Threadなどの技術が規格に盛り込まれる予定だそうです。
規格の草案が発表されるのは2020年末ですが、Appleが自社のスマートホーム技術の「HomeKit」の一部をオープンソース化するなど団体の参加企業の活動は早くも活発化しています。
以上今週のテックニュースでした。
それではまた来週お楽しみに。