みなさんパソコンは何を使っていますか?
仕事では、やはりWindowsが多いですが、iPhoneの爆発的な人気のおかげでMacも人気を集めています。スタバなどのカフェに行けば、その人気を痛感しますよね。
そんなカフェを占領する?Macユーザですが、Windowsユーザにはない悩みがあります。
パソコンを使い終わったときにスリープにするか、シャットダウンするかです。
Windowsではシャットダウンしないという選択肢は基本的にないのですが、Macはスリープもシャットダウンかそれ以上に使われています。
実際、スリープを日頃使っているユーザも、心の奥底ではたまにはシャットダウンしたほうが良いかなと思っている方も少なくないでしょう。
そこで、Macでスリープとシャットダウンどちらを使うべきか、またその頻度について解説します。
スリープ vs シャットダウン
筆者のおすすめは、次の使い分けです。
1.基本はスリープを使う
2.OSおよび重要なセキュリティアップデートの後だけシャットダウン
3.オプションとして、一定期間以上(最低3日)使わないときもシャットダウン
この3つのルールにそってスリープとシャットダウンを選択すると、ほとんどの方はほとんどシャットダウンしないことになります。1ヶ月以上になることもあると思いますが、なんの問題もありません。
ただ、このルールは絶対守らないければならないものではなく、単なるおすすめです。このルールを完全に無視して、毎日シャットダウンしてもハードウェアにダメージを与えるわけではありません。単純な使い勝手の問題です。
スリープとシャットダウンのどちらを選ぶべきかが分かったところで、その理由について詳しく見ていきましょう。
1.電気代
日本ではエコまたは節約の観点から、使わないときは何がなんでも電源を落とすという考えがかなり浸透しています。
では、最新の16インチのMacBook Proでスリープとシャットダウンで電気代を比べた場合どれくらいの差があるのでしょうか?
想像してみてください。
答えはずばり、年間85円です。
信じられないほど安いので電気代の違いは無視して、機能面の違いでスリープとシャットダウンを選択して問題ないでしょう。
ではどうやって85円という計算になったのか、確認していきましょう。電気代の計算について興味のない方は、次の2番まで読み飛ばしてください。
電気使用量の違い
まず、Appleの環境レポートからMacBook Proの電気消費量を確認します。
100Vのときの電気消費量は以下のとおりです。
- 0.05W(オフ)
- 0.56W(スリープモード)
つまり、スリープのときとシャットダウンしたときの電気消費量の違いは、0.51Wということです。
これにスリープしている時間と電気消費量あたりの値段をかければ合計が計算できます。
スリープ時間
スリープしている時間に関しては、東京の土日完全休みで残業0の企業で働いているデザイナーを考えます。有給と祝日は返上するのでグレーな会社です。
1週間のスリープ時間=16H x 5 + 24H x 2 =128H
年間のスリープ時間=6656H
1kWhの値段
東京電力の1kWhの値段は、毎月の使用量で変わるため、政府の2018年の家計調査の統計から月ごとの電気使用量を計算し決定します。
この統計によると2018年の電気代支出は次のようになります。
- 全世帯平均=9,151円
- 関東圏のみ=8,732円
東京電力のサービスエリアなので関東圏のみを使うべきですが、全国を公平にカバーするために全世帯平均を使って計算すると、1kWhあたり25円以下になります。
最終計算
以上から
0.51Wh x 6656 x 25/1000 =84.8円
という結果が出ます。
できるだけ1kWhの値段が高くなるように計算しているので、用途によってはより小さい結果になる可能性もあります。
2.Power Nap(パワーナップ)
MacにはPower Napと呼ばれるスリープ機能が搭載されています。
そして、この機能があるからこそMacはシャットダウンよりもスリープを選んだほうがよいのです。
Power Napを使うメリットは、パソコンのスタートが速いこととスリープ状態でも次にあげる内容が実行されることです。
- システムメンテナンス
- バックアップ
- スポットライトのインデックス作成
- メールの受信やカレンダーの更新
正直、パソコンのスタートが速いだけでも十分スリープを使う理由になりますが、パソコンに必要な処理をスリープ状態のときにバックグラウンドで処理してくれるのはかなり便利です。
システムメンテナンスの実行では、Macに必要なソフトウェアやアプリの更新をダウンロードしておいてくれます。
これの良いところは、例えば週末にアップデートがリリースされたとして、月曜日にいざ仕事を始めようというときにアップデートの嵐で仕事を邪魔されるということがないところです。Power Napに慣れ親しんでいるMacユーザにはわかりづらいかもしれませんが、Windowsユーザの間ではあるあるのネタです。
バックアップの実行についても同様で、Macを使い終わってスリープ状態にしてもTime Machineが実行されて必要なデータを保存してくれます。
そして、スポットライトのインデックス作成の実行では、Macのシステム検索機能のスポットライトに必要なファイルの場所や情報をインデックス化。
インデックス作成が実行されると、スポットライトの検索が効率化するので探したいファイルが瞬時に見つけられるようになります。
このように、Macを「最新」の状態に保つために多くを自動処理してくれる便利なPower Napですが、 システムのコアに関連する重要なセキュリティアップデートやOSのアップデートの更新だけはできません。
ですから、そのときだけは、しょうがなくシャットダウンを使うわけです。
Power Nap対応のMac
Power Napの機能は、2012-13年以降のすべてのMac(MacBook Air、Pro、iMac、Mac Pro)が対応しています。
機器によっては初期設定でPower Napが有効になっていますが、設定はシステム環境設定の「省エネルギー」をクリック。「Power Napを有効にする」にチェックが入っているか確認すればOKです。
詳細を知りたい方は、以下のAppleのサポートページを参照してください。
まとめ
多くのMacユーザを悩ませるパソコンのスリープとシャットダウンのどちらを選択すべきかについて解説しました。
繰り返しになりますが、基本はスリープを選択。
電気をほとんど使わずにMacを最新の状態に保つだけでなく、シャットダウンを使うよりも高速で立ち上がるからです。シャットダウンは、Macに更新を適用するにはシャットダウンが必要だと言われたときだけで十分です。
今までMacはずっと仕事の終わりにはシャットダウンしてきて、時々スリープを使うだけでした。そしてSSDを使っているMacBookAirはすぐ起動するのですが、仕事では古いiMacなものですから起動するのに時間がかかって嫌だなと思っていました。
今回の記事を見て、基本スリープで良いことが分かりました。ありがとうございます。