エコ洗剤といえば重曹が有名で一度は耳にしたことがある方も多いと思います。
重曹は家じゅうどこでも、掃除洗剤や消臭剤として活躍してくれる優れものです。この重曹よりも、キッチンや衣類の油よごれ、浴室の掃除で洗浄力を発揮してくれるのがセスキ炭酸ソーダです。
今回はこのセスキ炭酸ソーダ(以下セスキ)について
- 特徴および、重曹との違い
- おとしやすい汚れの種類
- それぞれの汚れ・場所に適した使い方
の3つについて解説し、めんどうな掃除を楽しくラクにできるような方法を紹介したいと思います。
セスキとは
セスキは、正式にはセスキ炭酸ナトリウムとも呼ばれ、炭酸ナトリウム(重曹=ベーキングソーダ)と炭酸水素ナトリウム(洗剤に含まれる界面活性剤)が1:1で混ぜられた天然の塩の一種。もともと自然界に存在しているものですから、環境にも体にもやさしいのです。
ちなみにセスキ炭酸ナトリウムは、英語で Sodium sesquicarbonate といいます。このセスキ(Sesqui)はラテン語で1.5倍、または3:2の割合という意味です。
つまり、ナトリウム分子(またはナトリウムと水素)が2に対して、炭酸(CO3)の酸素分子が3つ結合しているということを表しています。
化学が苦手な方には、???かもしれませんが、言いかえれば
セスキ=重曹を1.5倍パワーアップした天然のアルカリ洗剤
なのです!
サラサラとした結晶状で水に溶けやすく、しつこい油汚れにとても効果があります。長期保存が可能であつかいやすいのが特徴です。
重曹との大きな違いは、
- アルカリ濃度が高いので、頑固な油汚れに効果がある
- 水にすぐ溶ける
- 研磨力がよわい
ということです。
例えば、キッチンの換気扇の油汚れ、衣類の油汚れなどはセスキ。お鍋やフライパンのコゲ付きには研磨力のある重曹といった感じにそれぞれの特徴を活かした使い分けができます。
セスキでおとしやすい汚れ・おとしにくい汚れ
油汚れなどには絶大な効果を発揮するセスキもすべての汚れに万能というわけではありません。セスキと相性の良い汚れとそうでない汚れについて理解しておくことも大切です。
よくおちる汚れ
- キッチンの油汚れ
- 衣類についた油汚れ
- 血液
油汚れだけでなく、血液にも強い味方。キッチンなどの油汚れにはスプレーをして、しばらく放置してから拭き取る。汚れが頑固な場所はつけ置きする。血液の汚れにも、スプレーしてもみ洗いか、つけ置きをしてからもみ洗いすると簡単に落とすことができます。
おとしにくい汚れ
- 口紅などの重度の油汚れ
- 衣類のシミ
重度の油汚れや醤油やソースなどのシミはなかなか落とせません。そんな時は、天然石けんや酸素系漂白剤を使ってみると簡単に汚れを落とせることもあります。
また、水を使えない素材には基本的にセスキは使えません。変色などの可能性があります。鍋などのアルミ素材のものに使用すると黒ずんだりするので、使うのは避けた方がよいでしょう。
使い方
1.基本的な使い方
水500mlに対してセスキを小さじ1杯をスプレーボトルに入れて溶かします。
汚れのある場所に直接スプレーして5〜10分ほど放置します。その後、ふきんで水拭きするだけです。
キッチンまわりはもちろんですが、壁や扉のドアノブ、電気のスイッチなどに付着した皮脂汚れもスプレーして拭き取ると、汚れが面白いくらいに簡単に落ちます。
お風呂場も皮脂汚れが溜まりやすい場所ですね。ここでも、毎日掃除にセスキ液を使えば簡単にお掃除ができます。
2.つけ置き
換気扇やコンロの五徳(調理器具をおく台の部分)に、こびりついてしまった油汚れ。なかなか落ちません。このような汚れにはセスキを使った、つけ置きが効果的です。
油汚れは高い温度の溶液につけると溶ける性質があります。その性質を利用するため、つけ置きには少し熱い40〜50°くらいのお湯を使います。
お湯3リットルに対してセスキ大さじ2の割合で溶液を作り、少し深めのバケツ中で1〜2時間ほどつけ置き掃除をすると簡単に汚れが落ちます。
3。洗濯機
洗濯機の掃除はどうしていますか?
内側や外側はふき掃除ができますが、洗濯槽の裏側についた、糸くずや洗剤の残りカスなどの汚れやカビの掃除は難しいですね。
専用の洗濯槽洗剤を使ってつけ置き掃除もできますが、セスキでも落とすことができます。皮脂汚れはもちろんですが殺菌作用もあるので、カビにも効果があります。
手順は専用の洗濯槽洗剤と同じようなやり方です。
ぬるま湯を洗濯機の最高位まで入れ、セスキをカップ1ほど入れて5分ほど回し一晩放置します。次の日、出てきたごみをアミですくいとります。
このアミはわざわざ専用のものを購入しなくても、ハンガーに使わなくなったストッキングをつければ十分。網目の細かなアミができるので、簡単にゴミを取ることができますよ。
あとはゴミが出てこなくなるまで何回か繰り返し水の交換とすすぎをしながら、ゴミ取りをしてください。
ただ、初めて洗濯槽の掃除を行う場合は、一度、酸素系漂白剤をつかってしっかり落とした方が掃除時間の節約になります。
2回目以降は、定期的にセスキを普段の衣類洗濯に加えることで、洗濯槽の汚れを防ぎつつ、衣類の皮脂汚れを落とすことができます。
この場合、洗濯水30リットルに対してセスキ大さじ1〜2杯が目安になります。
4.血液の汚れ落とし
女性は生理でのうっかり汚れ。子供は転んでケガをしたり、鼻血を流したりで、洋服やシーツなどに血がついてしまいます。このような血液の汚れは、セスキを水にを溶かし、つけ置きしてからもみ洗いすれば、汚れがおちます。血液中に含まれるタンパク質が熱によって固まらないように、お湯でなく水を使うことがポイントです。
まとめ
家のお掃除で大活躍するエコ洗剤のひとつであるセスキについて紹介しました。セスキは、料理で使う油からくる汚れはもちろんですが、人間の皮脂や血液の汚れにも効果的なので使い勝手がとってもよいです。
また、天然素材なので肌荒れなどを心配せずに普段使いできるのもうれしいところです。こまめに使うことで、汚れがこびりつく前にキレイにできるので、家中の掃除がより簡単になります。まだ、使ったことがない方はこの機会にぜひお試しください。