オンラインショッピングは多種多様な商品を、出かけないで買い物できるところが魅力ですが、選択肢が多すぎて商品を選ぶのに意外と時間がかかるという落とし穴があります。
この商品の選択にかかる時間を減らしつつ、よくない商品を買ってしまう失敗を減らすことこそが、オンラインショッピングを楽しむ最重要項目ではないでしょうか。
そして、それを可能にするのが、誰もが知っているレビュー(商品評価)です。
レビューのどこが秘訣なのかと思ったかもしれませんが、それは「What」の部分だけに目が向いているからです。
この記事では、Whatよりもずっと重要な「How」(商品レビューをどのように使うか)と、「Why」(なぜそのように使うのが合理的なのか)について解説します。
1.レビューは星が1つ・2つの低下評価の内容だけ確認すればよい
レビューを読むときに高評価のものから読んでいませんか?
レビュー数が多く高評価だと、だれでも良い商品であるという思い込み(バイアス)が起こります。そうすると、よく知られた「確証バイアス」という、自分が信じている内容を支持する情報ばかりを集め、それ以外の情報を無視する傾向がでてしまいがちです。
また、ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンのプロスペクト理論によれば、人間は損失回避の傾向があり、利益よりも損失を強く感じるそうです。
この2つを考慮すると、よい商品を購入できる可能性が不確実な場合、より良い商品を探すのに時間を費やすよりも悪い商品を買ってしまうのを避けることに集中すべきだと言えます。
具体的には、良い商品であるかどうかは、次の2番で解説するレビューの数と評価の平均に任せて、買うべきでない理由がないかを低評価のレビューから探るという方法です。
気に入らなかった点も合わせてきちんと評価を書くレビュアーもいますが、評価が4・5のレビューは気に入った点だけを書いた物が多くなります。逆に、星が1つ・2つのレビューには、買ったことを後悔した理由が書かれているはずです。だから効率的に商品の悪い部分を探すには、低評価のレビューを読むのが一番合理的だといえるわけです。
レビューを読む上で重要なのは、低評価のレビューの存在自体よりも、あなたが購入の際に大切にしたい内容が書かれているかでしょう。低評価のレビューの内容が、あなたがまったく気にしない理由あれば無視できますし、これはダメだと思えば別の商品を探せばよいからです。
ここまで読んで、この方法では、悪くはないけど、よくもない商品を避けることはできないと思った方は正解です。悪い商品を買ってしまう確立を下げた後は、なるべくよい商品を買う確率をあげようとするのは当然の流れでしょう。
2.レビューの内容よりも評価の平均と数で、商品の良し悪しを判断する
あなたの趣味・趣向は普通の人とかけ離れていると思いますか?
多くの方は、「NO」と答えるでしょう。
実際のところ、多くの人は平均的で、みんなが好むものを同じように好みます。そうであれば、統計学的に考えて多くの人が高評価をつけている商品は、あなたも気に入る確率は高いです。また、その逆も同じで、多くの人が低評価をつけている商品は、あなたも気に入らない確率が高くなります。
ただし、評価の数が十分でない商品は、レビューをあえて書こうと思う人たちの評価の影響が大きく偏りが生じやすくなります。なぜなら、面倒なレビューをわざわざ書こうと思う人は、商品に大満足な人、不満で怒り心頭の人だからです。数は多ければ多いほど、誤差が減ると思ってください。
評価の数が増えればレビューの数も増えますが、数字の評価の平均と違いレビューは数が多くても非常に主観的で商品の良し悪しの比較には不向きです。意味が不明のものも大量にあるという問題点もあります。
では、具体的にどれくらいの評価の数があればよいのでしょうか。
正確な数字を出すのは難しいところですが、筆者は50程度を目安にしています。単純に50以上の評価があれば、全部をフェイクレビューにしたり、偏った趣向で平均評価点が歪められる可能性が低いからです。
ただ、買いたいモノによっては、値段やマーケットの規模の関係で、50以上の評価がある商品がまったくない場合もよくあります。その場合は、レビューや評価の数だけでは判断が難しいため、次の基準を組み合わせて評価します。
3.星の数だけでなく、評価分布の形をみる
購入者が多くレビューの数が増えてくると、どんなに良い商品でも必ず何かが気に入らないという人が必ず現れます。そして、低評価のレビューを先に読むことで、星が5つ・4つの評価の数が多くても、購入を悩んでしまうこともあるでしょう。
そのようなときは、星の数の絶対数はとりあえず無視して、各評価の分布を確認してください。次のような評価分布の商品をみてください。
商品Aの評価分布は、星5つが一番割合が多く、星1つの割合が一番少ない理想的な形です。このような形の評価分布のときは、かなりの確率でよい商品が買えます。先程も書きましたが、どんなに良い商品でもすべての人を100%満足させることはありえないので、星が5つの評価しか無い場合よりもさらに信用性は高いといえます。
次に2つ目の商品Bの評価分布を見てください。
商品Bも大半は星5つ・4つであることは共通しています。しかし、商品Bの方は、絶対数は少ないが、星1つ・2つの割合が相当数あることに気づくと思います。このような「J」の鏡文字のような形で評価が分布している時は注意が必要です。
上記1番で解説したように、低評価のレビューの内容をより詳しく読んでみる必要があります。J型の評価分布になりやすいのは、ブランド名が知られていている比較的高価な商品です。高いけど知ってるブランドだから買ってみたら、xxxだったというパターンです。
まとめ
失敗なく楽しくオンラインショッピングをするには、なんとなく見ていたレビューをきちんと理解して使いこなすことが重要です。
次の3つの点をあげました。
- 商品の良し悪しは、レビューの内容よりも評価の平均とその数で判断する。
- 次に評価の分布を確認し、理想的な形になっているかどうか確認する。評価の数が少ない場合は特に形が重要。
- 最後に低評価のレビューのみを確認し、自分にとって重要な点をクリアしているか確認する。
オンラインショッピングでは、商品を直に見たりさわったりできないために、期待していた商品と違うものが届くということが起こりがちです。そのようなときは、よりよいものを探そうとするよりも、購入を後悔しない方法がよりよい選択肢になります。次にオンラインショッピングをするときには、ぜひこの方法を試してみてください。